未来に芽をプロジェクト

チュラコス株式会社

代表取締役 與那覇 翔

事業内容について

チュラコス株式会社 代表取締役社長 與那覇 翔 氏
インタビュアー 山城 智二 氏 (有限会社FECオフィス 代表取締役)

【山城】まずは事業内容から聞かせていただけますか。

【與那覇社長】チュラコス株式会社は主に化粧品の通信販売をやっている会社です。アジア圏の台湾、タイ、マレーシア、シンガポールなどにも展開しています。また、アメリカや中国にも展開しようと手続きを進めています。
 そのほか、店頭販売用の新ブランド「BiBika(ビビカ)」や、ペットの口臭対策サプリメントブランド「ドクターグッド」など、いくつかのブランドを展開しています。
 会社は創業6年目で、従業員30人ほどでやっている会社です。
 福岡にも拠点があったのですが、コロナの影響で締めることになり、現在は沖縄と銀座の2拠点でやってています。

事業内容について

オフィスへのこだわり

【山城】今、沖縄の事務所で話を伺っていますが、一般的な会社の雰囲気とは全く違うなと感じています。どのような意識でされているのですか?

【與那覇社長】会社が創業2年目ぐらいのタイミングで社内にアートディレクターを入れて、スタッフ一人一人の似顔絵と壁一面の壁面アートを描いてもらいました。以前“情熱大陸”に出演していた「オーバーオールズ」さんです。
 彼らがまだ有名じゃなかった頃に知り合い、そこから繋がってたんですが、4年ほど前にアートのサブスクみたいなサービスをはじめたのでお願いしました。月いくらで書き放題・・・みたいな感じのものです。
 社内にアートを入れることでクリエイティブになりますし、似顔絵だけではなくて一人一人の夢を描いたりしています。
 前職がギチギチに管理する感じだったので、その反動で真逆の方に振り切っていこうと思いました。全く違う土俵で挑戦して、証明したいという気持ちが強かったです。その時はすごいエネルギーでした。実際、オフィスづくりをするときにも「こんなにオフィスにお金をかけるな・・・」とか言われたりしました。でも、突き抜けるとそういう話はなくなるし、とにかく結果を出してやってきました。

オフィスへのこだわり

業績にもプラスの影響

【山城】社内の環境を変えたことによって、会社の業績も変わりましたか?

【與那覇社長】大きく変わりましたね。やはり時代ごとに調子の良い時、悪い時はあると思うんですよね。そんな中でうちもピンチの時が9割ぐらいを占めていたと思います。
 資本金300万円でスタートして、そこから1年半ぐらいでようやく投資回収が終わり、4期目で売上が50億円ぐらいになりました。そこからどうしようかな・・・と。
 人間上に行けば行くほど天井がないじゃないですか。50億、100億と、どんなに売上が上がってもやりたい事をやれているのかな?と・・・。やらなければいけない事とか義務が多くなると思うんですよ。現在、私が代表させてもらっているので責任を負ってますけど、背負わされているみたいなのは嫌で、何年か後には卒業したいと思っています。そこを見据えてやらないといけないかな・・・そろそろ次の世代と交代しても良いのでは・・・と思っています。

業績にもプラスの影響

従業員には機会とチャンスを提供

【山城】従業員が社長と同じような感覚で考えるのは難しいと思うんですが・・・

【與那覇社長】それはそもそも違うと思うんです。オーナーと従業員が違うのは当たり前。だけど、みんなそれぞれリーダーシップを持ってると思うんです。私も前職は身内だったんですけど、平社員から色々経験してきて今があるし、ステップはいくつかあると思います。
前職ではその機会を提供していました。起業したい人、専門分野でやりたい人、それぞれですが、人は提供される機会で大きく分かれるなと思います。

【山城】社員のみなさんのやりたい事やチャンスをできるだけ与えていくという事ですか?

【與那覇社長】機会やチャンスを与えながら、環境を整備すると共に、見ている視野や視座を広げてもらうためにレベルの高い人と会わせるという事をやっていきます。
 うちは通販の会社ですが、今度東急プラザでポップアップストアをやらせていただきます。先日、玉泉洞でやったんですが、限られたお客さんの中でも「この商品知ってる」「これポップアップでやったらすごくニーズあると思うよ」という声をいただいたので、今準備をしています。

従業員には機会とチャンスを提供

提案の判断基準

【山城】従業員から上がってくる提案の中で、これはやろうという判断基準はありますか?

【與那覇社長】もちろんあります。まず話を聞きます。その上で「これに投資したい」という議論をみんなでやっています。大きな方向性は僕が決めたりしますけど、従業員には毎週僕の給料とかPL、BS、CFをフルオープンにしているので、肌感覚で今やったほうが良いのかわかると思います。財務をオープンにした方が認識を合わせやすくなると思います。
 認識を合わせることで、目の前のお客さんに喜んでもらえるよう集中してほしいと思っています。そうする事でおのずとアイデアが出てくるはずです。

提案の判断基準

478Farm導入のきっかけ

【山城】478Farmを導入しようと思ったきっかけは何でしょうか?

【與那覇社長】うちの会社も緑を置いていますけど、今回の478Farmは新しい取り組みだし、自分たちもそういう活動につながりたいと考えました。
 植物は、空気が悪いと枯れやすかったりしますし、露骨に出ますからね。細かいところも見ないといけないし。
 力を抜いて自然体でありたいんですよね。僕は社長の役割を演じているし、みんなどこかで役割を演じているじゃないですか。会社の看板を捨てて個人名でもやれるぐらいの実力をつけたいと思っています。
 僕たちもSDGsを学ばせてもらっているので、そこからの縁でまたつながっていくんじゃないですかね。新型コロナの影響もあって、つながりたいというニーズが高まってきていると思います。別業種でもお互いの強みを出し合ってコラボするとか・・・。

478Farm導入のきっかけ

SDGsへの取組み

【山城】SDGsにはいろいろなゴールがありますが、御社はいくつかのゴールに対してすでに実践されていますね。

【與那覇社長】まだまだ足りないことも多いです。商品パッケージとかいろいろな取り組みを進めていますが、何が正解なのかわからないし、やれていない事も多いので、色々な企業と繋がっていきたいし、関わっていきたいと思う。その中で、無駄なものというか、やらなくてもいいものに気づいて今やるべきことに集中できる環境をつくってきたいと考えています。やる事よりやらないことを決めています。無理もしたくないですし。
 現在、通信販売のお客様が75万人ぐらいいるんですが、ポップアップストアをやりたい理由の一つにお客の顔を見たいというのがあります。一人一人のお客様に私たちがやっているSDGsの活動を伝えたいし、本社移転を検討しているのも、我々の会社の世界観や空気感をもっともっとつくりたいというのがあります。目に見えないものかもしれませんが、事務所に入った瞬間「はっ!」と空気が変わるような・・・。やはり会社のあり方として、環境づくり、場づくりの要素が大きい。十人十色様々な人がいますが、場の空気感がそこに集まる従業員同士の関係性に大きく影響すると考えています。

 ↓写真 タイの奥地にある「”メーパン小学校”再建プロジェクトに」携わり、子供たちにノートと色鉛筆をプレゼントしている與那覇社長

SDGsへの取組み

異質な人を入れたい!

【山城】社員の男女比率はどのくらいですか?

【與那覇社長】約9割が女性です。男性の視点も必要ですが、異質な人を入れたいと思っています。オネエでもいいし・・・とにかく変な人を入れたい。
 異質な人を入れるという事はすごく大事なことだと思うんです。変わったことをやれる人・・・もちろんバランスは必要だと思うんですけど。
 例えば、コミュニケーションが苦手だけどすごくテクニカルな人は、広告運用とかエンジニアとかに向いていると思うし、適材適所を見極めながら対応しています。
 人って、機会をつくって、場をつくって、やらせてみても一発じゃわからない。ある程度時を経てじゃないと適格性がわからないと思うんです。
 私は「人は覚醒する」と思っているので、覚醒するのを見てみたいんです。真の影響力のある人って制限しない人だと思うんです。僕もそうありたいと思っているんですが、「失敗を知って、成功も知ってほしい」というメッセージを持って接しています。

【山城】第一印象でポジションを与えて、やりながら軌道修正していくという事ですか?

【與那覇社長】そうですね。常に軌道修正です。修正力は大事だと思っています。商売はいかに勝率をあげていくかが大事なので、日々変化していく必要があります。だから、常に変化して修正できる人が強いんじゃないかと思います。変化できる人は、素直さ、柔軟性、行動力、好奇心、向上心を持っていると思っています。
 そもそも僕は管理したくないんです。管理したくないからセルフマネジメントをやっているし、私自身も管理されたくない。
 ただ、会社の共通事項の振り返りはやります。毎週財務を振り返り、毎日やっていることを振り返っています。本来、自分で考えてやらないといけないと思うんですが、自分で考えてやる人と、与えられてやる人の二つに分かれますよね。言われなくてもやる人っていますよね。私は管理しなくてもいい人材を選びたいです。
 前職で、コールセンター長とかスーパーバイザーとかをやらせてもらっていたのですが、当時は自分の席が真ん中にあって、一つずつ全部チェックしていた頃がありました。それがあっての今だと思うんですが、一つずつ全部チェックしなくてもいい組織をつくりたいです。
 コロナ禍で効率を求められることが多いですが、私自身は非効率なことを徹底的にやりたいと思っています。「みんな雑談しよう!」みたいな。毎朝8:30から「感謝の朝礼」というのをZOOMでやっているのですが、以前は参加していましたが今は参加していないです。やはり知らず知らずに自分の正論みたいなものを抑えきれずに言いたくなる時があるんです。その場にいたら言いたくなってしまうので参加していないんです。
 その代わり、僕のZOOM部屋みたいなのがあって、相談があるときはそこで相談してもらうことにしています。自分自身の負担やストレスになるのも嫌なので、フラットに「そういう時があったら声かけて!」というスタイルにしています。
 失敗はしますが、心配はしていません。すごく大きな失敗もありますけど、逆に這い上がっていい感じになったりもしています。失敗も価値だと思うし、失敗ではなく上手くいく為の一つのきっかけと考えています。最低なことと最高なことを合わせて楽しんでいる感じです。
 いま抜本的に断捨離をしています。そうする事で本質は残っていくと思うんですよね。新しいこともするんですが、やめることも多いです。答えはないですけど・・・。

異質な人を入れたい!

未来への期待

【山城】未来はこうあってほしいという考えがあれば教えてください。

【與那覇社長】県外に出たときに感じるんですが、沖縄の人の温かさとか、ゆいまーるとか、繋がりとかが根っこにあって、それをつなぐツールとしてSDGsとか自然があるなと思うんです。幸福度を上げていきたいと思っています。商売が儲かり、幸福度も上がるような・・・。バランスが大事ですが、どちらも取りたいと思っています。そして人を残す会社にしたい。自分がいなくなっても若い人たちがどんどんやってくれたら最高ですね。
 人は寿命があるけど、自然はずっとあるものだから残していきたいです。
 来年40歳なんです。いっぱいやりたいことはありますが、最近は残すことを意識しています。何十年、何百年続くものを残していきたい。自分も経営者になって父親のすごさを本当に感じることができたし、尊敬しています。私たちはたまたま波に乗って今があるけど、10年、20年後に残っているには変化し続けなければいけない。
 やればやるほど苦労がありますが、会社の数字では測れないものに興味が湧いてきます。世のため人のためとか聞こえがいいことを言いたいわけではなく、自分とか家族とか身近な人が幸せであることが一番で、そこから輪を広げていけば良いのかなと考えているし、そういう文化をつくっていきたい。

【山城】與那覇社長の考え方は、若い世代の“うちなんちゅ”の参考になりそうだと感じました。

【與那覇社長】我々は通信販売なので、やってる事がわかりづらいかなと思います。若い子たちには自然な形で伝えていきたいですね。その際、僕が前面に出るというよりは、既存のお客様に喜んでもらえるコンテンツづくりや、パートナーさんづくりに取り組むスタッフを取り上げたいです。そして、一方通行ではなく、スピード感があり一体感のある参加型メディアやコミュニティをつくっていきたいです。
 自分のエゴで会社をつくって、共感してくれるみんなが集まってくれたお陰で今があるのですごくありがたいと思っています。でも自分がコントロールしていこうとは思っていません。私を含め、みんながどう貢献していったら良いかというのを常に考えて動いているので、色々なコンテンツが出てきます。SDGsもひとつの手段ですが、みんながハッピーになるような輪を広げていきたいですね。
 会社として発展していくのはもちろんですが、社会的に人を育てる活動もしていきたいです。3年前にタイに学校を創ったんですが、施設をつくってそのままになってしまっているので、継続的なコミュニケーションや教育をしていきたいです。私個人としては、やれる領域をいろいろと増やしていきたいと考えています。

未来への期待

478Farmへの期待

【山城】478Farmに期待する事をお聞かせください。

【與那覇社長】こういうご時世だからこそ、沖縄だけではなく、県外や世界とコラボをしてほしいと思います。GoogleやAmazonのような影響力のあるトップランカーとのコラボも期待します。
 僕は、大人だけではなく子供たちも一緒に活動していったら良いと思います。子供たちが大人になるまでの過程で、実際の現場でSDGsに関わる機会が出来ればすごくいいと思います。ただ478Farmの設置数を増やすだけではなく、影響の輪を広げていってほしいです。それが口コミでどんどん広がってほしいと思います。
 僕もどんどん宣伝しますし、478Farmがあったから業績を伸ばすことができ、お客様からも喜ばれているという案内ができればいいなと思います。

478Farmへの期待

企業プロフィール

チュラコス株式会社

代表取締役 與那覇 翔(よなは しょう)


歯を白くする医薬部外品「薬用ちゅらトゥースホワイトニング」をはじめ、 沖縄成分がたっぷり配合された白石鹸「いるじゅらさ」は累計80万個の販売実績があります。
その他にもお客様のお悩みを解決する基礎化粧品などを取り扱っています。 沖縄ならではの素材の魅力を最大限に引き出す開発を行い、常に新しいことにチャレンジし、お客様をより美しく、一人ひとりを輝かせる製品作りに取り組んでいます。

住所:〒901-0244 沖縄県豊見城市字宜保2-1-5 金宏産業第二ビル202
電話番号:098-894-6870

チュラコス株式会社